沖縄のおやつクレープのようなポーポー魅力と歴史

沖縄料理

沖縄のポーポーは愛らしいネーミングとクルクルと巻いた可愛いクレープのようなおやつです。

ポーポーは、その美味しさと豊かな歴史により、多くの人々から愛されてきました。この伝統的なおやつに沖縄の文化と風味を感じることでしょう。ポーポーの起源や地域別バリエーションに迫ります。

沖縄のおやつ、ポーポーは大きく分けて3つあります。

[ポーポー]

伝統的なお菓子で、沖縄版クレープの類。小麦粉・卵を水で溶き、塩を加えフライパンでクレープ状に焼き、表面にアンダンスー(油味噌)を塗りくるくる巻いたもの。元来甘いお菓子ではないが、蜂蜜・ジャム等も使われます。ユッカヌヒー(子供の日)に子供の成長を願い、ご馳走の1つとして作られました。

[平焼(ヒラ ヤチー)]

沖縄風お好み焼き。小麦粉を水と卵で溶いて塩で薄味をつけ、ニラやキャベツなどの野菜を千切りにして入れ、フライパンで平たく焼いたものです。焼きたてを醤油、ソースなどで食べます。

[ちんびん]

ちんびんは小麦粉に黒糖をまぜて焼いてクルクル巻いて食べる沖縄のクレープのようなお菓子です。 ポーポーと材料と見た目が共に似ていることから、沖縄でも混同して認識されやすいですが、ちんびんは黒糖を使っていることからポーポーに比べ茶色い色をしています。

ちんびんの由来は、中国の「煎餅」。「チェンビン」と読んだ名前が、琉球時代に伝わったときになまって、ちんびんと呼ばれるようになりました。かつては、沖縄のこどもの日であるユッカヌヒー(旧暦の5月4日)に無病息災を祈ってつくられ、仏壇にお供えされていました。今では、家庭で簡単につくれるお菓子として親しまれています。

ここでは家庭で簡単につくれるクレープのようなおやつ、ちんびんのレシピを紹介します。

 

クレープのような沖縄のちんびん

材料

★薄力粉(強力粉でも)      1カップ      (300cc)

牛乳               1カップ      (300cc)

★黒糖               200g

★べキングパウダー         小½

サラダ油              適宜

作り方

①★を混ぜたら、牛乳を4回くらいに分けて加え混ぜ合わせる

②フライパンに薄く油をひき、お玉2/3分くらいを流し、クレープのように伸ばす

③気泡が出てきたら裏に返して、焼けたら菜箸でクルクル巻けば完成

米粉のモチモチちんびん

材料

米粉         150g

黒糖(粉タイプ)    50g(好みで増減)

ベーキングパウダー  小匙 1/2

水          150cc

①ボウルに全ての材料を入れて、黒糖がしっかり溶けるまでよく混ぜる。

②ホットプレートまたはフライパンを熱し、油をキッチンペーパーで薄く塗る。

③生地をおたまで一杯すくって落とし、素早く薄く広げる。

④表面が 乾ききる寸前にひっくり返し、裏をさっと数秒焼いて皿に取る。

もっと簡単にできる ちんびんミックス

沖縄の伝統的おやつ「ちんびん」が、水で溶くだけで簡単に作れるミックス粉です。

沖縄のぽーぽーの地域ごとの特徴

読谷村楚辺には「楚辺ポーポー」と呼ばれるお菓子が存在します。これは黒糖を用いた巻きクレープのようなもので生地に卵が入ることが特徴で、少し分厚く、また巻く際の面がチンビンとは逆になっています。旧暦四月十五日、アブシバレー(田畑の虫払い)という祭で提供されたお菓子でもあります。

平安座島にも「サングァチポーポー」というお菓子があります。こちらも楚辺ポーポー同様に黒糖を使用したお菓子になります。特徴的なのは材料の一つにムギ粉(粗びき全粒粉)が含まれるまれることです。粒の荒いムギ粉を使用しているため、吸水などの時間が必要で、生地を作る段階でかなりの手間と時間がかかるようです。このサングァチポーポーは旧暦三月三日からの三日間、平安座島の伝統行事に仏壇への供え物として作られています。

読谷の「楚辺ポーポー」、平安座島の「サングァチポーポー」も明治〜昭和初期の時点ではすでに現在と同じ形で存在していたようです。目的・時期は違えど、行事食としての機能があり、それが地域のおやつとして変化していったところです。

平安座島の「サングァチポーポー」

「一見簡単そうに見えるポーポーですが、平安座島のサングァチポーポーは、実は経験を積まねば上達しないのです。」

☆時間のかかる生地の仕込み

生地の作り方は、まず水以外のものをよく混ぜて、そのあと水を入れます。どうしてもダマになってしまうので、それを手で丁寧につぶしながら水と馴染むように時間をかけて混ぜていきます。生地を手ですくって落とすと、水のようにサラサラサラっと落ちるくらいのゆるさが目安です。この混ぜる作業もかなり時間がかかるのですが、一通りダマがなくなったら、さらにしばらく置いて水を吸わせます。この水を吸わせる時間は少なくとも2時間くらい必要です。出来上がりのことを考えると、一晩吸わせるのがおススメです。

☆火加減が面倒な焼き方

焼く前にいくつかやっておくことがあります。まずは生地を常温に戻しておくこと。焼き方は温度命。生地が冷たすぎると絶対に成功しません。

もうひとつはフライパンの準備。これを日ごろから炒め物などの料理に使っていると、ポーポーが上手に焼けないのです。

☆最大の難関、焼く時の手順

①フライパンを強火で熱々にしておく。

②横に濡れ布巾を置いて、そこにフライパンを置き、ジュッっと冷ます。

③強火のままのコンロにフライパンを戻し、すぐに生地を大きめのお玉1杯分すくい、フライパンの中央めがけ、ちょっと高いところから落とすように流しいれる。自然に生地が広がるようにするのが大切です。

<注意>この時、生地が広がらないからといって、フライパンを回すようなことをするのはNG。きれいに焼けません。

④生地の周囲がちょっとプツプツいいはじめ、穴が空いたら、即、火を弱火にする。

⑤火が通ってくると生地の色が少し変わってくるので、中央がまだ生っぽい状態でひっくり返す。

⑥裏面は中火でゆっくり焼く。

⑦火が通って焼けたら、まな板などの上に焼きあがった生地を取り出し、熱々のうちにくるくるっと巻く。

⑦火が通って焼けたら、まな板などの上に焼きあがった生地を取り出し、熱々のうちにくるくるっと巻く。

さあ、平安座島のサングァチポーポーの出来上がりです。作るのは大変そうですが美味しそうですね。

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


関連記事一覧